不安を軽減する「抗不安剤」
抗不安薬とはどんなもの

うつ病における治療は薬物療法が基本であり、抗不安薬を長期にわたって服用することがあります。抗不安薬には神経症やうつ病や心身症などに見られる不安や抑うつなどの症状に効果があり、抗不安作用の強さになどによって使い分けられています。不安というのは、心の病気の中でも顕著にあらわれることが多いです。そのため、抗不安薬はうつ病だけでなく、様々な心の病気で用いられることが少なくありません。抗不安薬の特徴としては、効果がすぐにあらわれやすいということです。そのため、一時的な症状を抑えたり、気分が楽になる実感を持ってもらったりする目的で使われることもあります。一時的な症状を抑える場合には、頓服という飲み方で処方されるケースも少なくありません。患者の状態によって、適した飲み方が指示されるのです。
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬
うつ病に用いられる抗不安薬には、ベンゾジアゼピン系と呼ばれるものがあります。これは脳内にあるベンゾジアゼピン受容体に働いて、興奮を抑制する物質の働きを高めることで、神経細胞の興奮を抑えて、気分をリラックスさせ、不安や緊張感を和らげてくれるのです。興奮を抑制する物質として、ガンマアミノ酸(通称:GABA)があります。また不安を和らげる作用だけではなく、良く眠れるようにする作用や筋肉をほぐす作用も有しています。そのため、うつ病だけではなく不眠症や心身症などにも使われることも少なくありません。さらに、薬によっては子どもの熱性けいれんや緊張性頭痛に適応があるものも存在します。そして、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬には、作用時間の短いものから長いものまで様々あり、患者の状態によって薬が選択されます。